思考のエンジン 7 情報を俯瞰する装置 アウトライン・プロセッサーを使う
## リ・ライティング
- 今回のテーマ
- 原稿の「リ・ライティング」をアウトラン・プロセッサーで検討する
- ある目的のためのライティングを求めてアウトライン・プロセッサーを操作する
著者の目的
- 「ソウトライン」に簡単に収まる、ブルジョワジー的でソクラテス的つまり古典的な明解なディスコースから離れる
- マルクス主義的なディスコースからも自由に、現代の社会と文化を分析するにはどうしたらよいか
## アウトライン・プロセッサー
- ワード・プロセッサーを使う
- 自動車で道路を走るようにライティングを行う
- アウトライン・プロセッサー
- 飛行機で空の上から大地を
- ライティングとしてのテキストを
- 俯瞰している
- アウトライン・プロセッサー
- プロセス・ライティングの方法を採り入れるため
- 思いついたことをとにかく書いてしまえ
- 正反対 アウトラインを作って文章を書く形式ばった方法
- 「シンクタンク」
- 非常に便利だ
- プロの物書きはアウトラインを作ってから文章を書いたりしない
- 複雑なメカニズムの助けになった。
- コンピュータの中でアウトラインを作り、文章を書き、それをあれこれと操作する。
- この作業は思いつきのアイデアを加工して(プロセスして)ライティングを仕上げていく
- 「モア」マニュアル
- アイデア・プロセッサー
- 文章を仕上げるためにアイデアがなくてはならない
- アイデアはさまざまな証拠とすっきりして斬新なディスコースを求めて返送を繰り返しながら結論へと展開してく。
- この過程を遂行するためにアウトライン・プロセッサーが有効だ。
- アイデアを思いつくために使ってもそれほど効果的ではない
- 単調な記述を生む
- アイデアは加工されない
- 項目をアウトライン上に並べる
- なんとくなく関係があるような気持ちで著述していく
- アイデア加工の妙味
- どれだけ面白く美しい形で項目の構造が工夫できるか
- アウトライン・プロセッサー
- ディスコースの生成と修正の機能
- アウトラインを使って書く
- 日本で販売されている
- アウトライン・プロセッサー
- アイデア・プロセッサー
- カード情報整理プログラム
- 「グランド・ヴュー」
- 複雑な電子仕掛けの情報を俯瞰する装置
- 「ワード・パーフェクト」で作った論文を「グランド・ヴュー」に取り込んだ。
- 文章からアウトラインを作っていく
- 読み返してアウトラインが作れる文章は
- 分かりやすく面白いディスコースを使っていることが多い。
- 自分の文章からアウトラインを構成して
- 自分のリ・ライティングのためのディスコースの検討をする
- 本を要約する課題
- 見出しをつけたテキスト・ファイルを「グランド・ヴュー」に読み込む
## パラディグムとシンタグム
- このアウトラインを見ながらディスコースの検討を行う
- すでに書かれれている文章がある場合
- アウトラインの検討は
- まさに高いところから
- ディスコースの流れを見下ろしている
- アウトラインを操作して文章の構造を決定する場合
- ディスコースはゆっくりと流れるかのようなものだ
- 点と点を結ぶだけのアウトラインからでは議論が実際にどの流れるか検討がつかない
- アウトラインは紙の上に文章を持つパラディグム的な特徴を工夫して表現したものといえる。
- アウトライン・プロセッサーを使うと、
- 高い場所から平野を見るように
- 文章の議論の大枠・中枠そして細かな部分を立体的に掴むことができる
- ライティングの実際はシンタグム的な作業だ
- 読みはそれにまして書いた順番にしか行うことはできない
- 紙をメディアとしたライティングの宿命である
- この限界に挑戦しようとするのがハイパーテキストである
- ライティングの持つシンタグムとして側面を支えるのは語り口である
- どのように話が始まり、展開し、終わるのか、の流れだ。
- 目次はこの語り口を検討する場合に役立つ
- アウトラインの三次元的な構造を二次元に写像したような
- (リ・)ライティングの作業は
- 双方を検討しなくてはならない
- 文章のパラディグム的な側面
- 論文の論理と証拠の検討という
- アウトラインの階層的な構造に反映している
- 文章の実際の流れ
- つまりシンタグム的な特質
- アウトライン・プロセッサーを使いながら行う
- アウトライン・プロセッサーはこうした作業を行うための様々な機能を持っている
- リ・ライティングの作業でこうした機能を使用するためには
- 前もって文章のアウトラインを作り細かく検討し
- 全体の構造を俯瞰して
- 修正の方向を決定しなくてはならない
- きちんと階層化されたアウトラインを見ると
- 構造上の欠点がある場合
- 本文を検討しなくてもある程度問題点を予測することができる
- まずこうした予測を立てて
- リ・ライティングのプロセスに入っていく
- この予測方法は簡単だ
- 平凡な段落構成
- 大見出し・中見出し・小見出しの形でうまくアウトラインが構成されているか
- を検討することで論理的なディスコースを使用するライティングを診断することができる
- テーマは資料を漁るうちに出てくる
- 資料をアウトラインに強引に収めてもテーマは出てこない
- 資料すなわちデータをつなぎあわせているのはアウトラインよりも複雑な論理の連鎖だ
- うまくできた文章は振り返ってみるとアウトラインとして単純な形式を備えていることが多い
- 議論がうまく展開できないな場所が
- 文章の構造をアウトラインの形から判断すると
- 一目瞭然となる
- 実際のアウトラインをもとに
- 問題点を外観から検討する
- 第三節「道徳と消費」を検討する
- 中項目・小項目ときれいな形にアウトラインが構成されていない
- ライティングの構造が浅いことが予見される
- 目次をもとに語り口の検討をしてみると
- さらに問題点があることが分かる
- こうしたリ・ライティングの作業を行う場合に
- アウトライン・プロセッサーは威力を発揮する